空を知る

言葉の力

本日の言葉は「空(くう)を知る」です。

私が中学生くらいの頃、宮本武蔵の「五輪書」の現代訳を読んだ事があり、印象に残った部分があったので紹介させて頂きます。ただし、時間がだいぶ経ってますし、私が都合よく解釈している部分もあると思うので、私なりの解釈ということでご容赦ください。

五輪書は、地、水、火、風、空の5巻編成となっており、宮本武蔵が考案した二天一流についてまとめた書物です。最後の空の巻に二天一流の極意である「空」について書かれています。

「空」とは、空っぽのことであり、何もないという意味になります。何もないことを知るということ、何もないことを知ることで、有るということを知るということ。何だか頭がこんがらがってしまいそうです。要するに、日々の鍛錬によって一切の迷いがない状態にすることで、無心の境地とも言えるかもしれません。

それらを踏まえて私にとっての空を知るということの解釈は、ある種のあきらめのような感覚もあり、目の前にあるすべてはいきなりポンと生まれたものではなく、はるか昔からのつながりや継承によって奇跡のような確率で生まれたもので、そのつながりが少しでも揺らいだり途切れてしまっていたら生まれなかったような危ういものであり、もはやあってないようなものだということです。

目の前のすべてや自分すらもいつ無くなっててもおかしくなかったと言われるとなんだか大切にしたくなるような気もしますし、無いのと同じなら少し心が軽くなりませんか。最強となった晩年の宮本武蔵がそう思っていたかは定かではありませんが、皆さんもいい解釈を考えてみてください。

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